胆石を予防しよう

胆石は胆嚢の中にできる石のことですが、これが胆嚢の出口やその先の胆管という管に詰まってしまうとお腹が痛くなったり、吐き気がしたり発熱したりします。

自分が患者さんを診察していて偶然胆石を見つけることはかなり多い印象です。実際、調べてみたところ10人に1人は胆石を持ってるそうです。

どんな人にできやすいかというと特徴は”3F”と言われています。3FはFatty、Forty、Female、つまり肥満な中年女性にできやすいということです。さらに多くの論文で胆石のリスクファクターとして年齢、肥満、家族歴があげられています。

実際この中で自分たちで予防できるとしたら肥満にならないことくらいでしょうか。今回は胆石のできる理由を理解しその予防法を知りましょう。

胆石には大きく分けて3種類あります。①コレステロール胆石②色素胆石③稀な胆石です。②色素胆石はさらに黒色石とビリルビンカルシウム石に分かれます。この中で私たちが最も予防しやすい胆石はコレステロール胆石と考えますので解説します。

・コレステロール胆石のでき方:大きく分けて3段階あります。1⃣コレステロール過飽和胆汁の生成→2⃣胆汁中コレステロール存在様式の不安定化によるコレステロール結晶の析出および成長→3⃣胆嚢収縮機能異常による結晶の胆石への成長、です。・・・ちょっと何言ってるかわからないですね。

簡単に言うと、コレステロールが過剰になった状態では、肝臓でコレステロールの濃度が高い胆汁が作られます。このコレステロールが濃い胆汁が胆嚢内でさらに水分が吸収されて濃縮していくと、結晶として析出します。胆嚢の収縮機能が悪いとその結晶が胆嚢から出ていかず、大きくなり、コレステロール胆石が出来る、というイメージです。

・コレステロール胆石のリスク因子:食生活習慣、高脂血症、急激な体重減少、胆嚢収縮機能低下、腸管運動機能低下

”食生活習慣”では1日の総摂取カロリー数、炭水化物、糖質、動物性脂肪(バター、チーズなど)の過剰摂取、身体活動の低い生活、夜間の長時間にわたる絶食が胆石のリスクとなると報告されています。一方リスク低下い因子として、果実、野菜、ナッツ、高不飽和脂肪酸(ごま油、えごま油など)植物性蛋白、食物繊維、カフェイン、適度な飲酒、適度な運動があげられます。

”高脂血症”では高脂血症であることが胆嚢収縮機能の低下や肝臓でのコレステロール合成の増加、腸管での胆汁酸吸収低下を招き、コレステロール過飽和胆汁を生成するためリスクになります。高脂血症は検診の採血項目にあるのでチェックしておきましょう。

”急激な体重減少”は胆汁中粘液蛋白の増加によるコレステロール結晶析出時間の短縮化と、脂肪摂取量減少に関連した胆嚢収縮機能の低下が原因と言われています

”胆嚢収縮機能低下”は高脂血症、減量ダイエット、完全経腸栄養、迷走神経切離術後、脊髄損傷、ホルモン治療などの病態が原因となります。

”腸管機能運動機能低下”が起こると、食物の腸管通過時間が長くなり、腸内細菌の変化や小腸における胆汁酸の吸収低下を起こします。それにより胆汁酸が便として出てしまうため、胆汁酸の循環量が減り、コレステロール過飽和胆汁が生成されやすい状態となり、胆石生成のリスクとなります。

かなり端折って書きましたがこれでも分かりにくいのでまとめてきます。

まとめ:

コレステロール胆石は肝臓でコレステロール濃度の高い胆汁が出来る→胆汁が胆嚢で濃縮されコレステロール結晶として析出する→胆汁の流れが悪いとコレステロール結晶が胆石に成長する、といった流れで出来ます。

逆に考えると血中のコレステロールの濃度を下げて、胆嚢の収縮能を低下させないことが予防につながります。

コレステロールを下げる効果があるものは果実、野菜、ナッツ、高不飽和脂肪酸(魚、ごま油、えごま油など)植物性蛋白、食物繊維、カフェインの摂取や適度な飲酒、適度な運動です。また急激な体重減少を伴うダイエットは避け、運動しながら痩せること、そして便秘の方は出来るだけ水分をよくとり適度な運動を心掛けましょう。

おまけです。ビリルビンカルシウム石が最も胆石の中で割合が多いのですが、こちらも胆汁のうっ滞が生成の原因となります。そのためコレステロール胆石の予防がある程度はビリルビンカルシウム石の予防にもなり得ます。

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